中年週末ハンターの工作教室

狩猟に役立つ道具の自作事例と体験談など

スマートフォンホルダ(iPhoneSE用型紙公開)

狩猟におけるスマホの保持

 現代人でスマホを持たない人はほぼいないと思います。狩猟でも、地図を見たり、時間を見たり、写真を撮ったり、もちろん、電波が届けば重要な連絡手段になります。しかし、高価で繊細なデバイスですので、「どう持ち歩くか」には気を使います。
 人によってはバックパックに入れて滅多に取り出さない人もいるかと思いますが、私は割と狩猟中にスマホを見ることが多いので、サッと取り出せる場所に保持しておきたい。かといって、ズボンのポケットに入れると転んだ時に割ってしまう恐れがあるし、バックパックの腰ベルトをしっかり閉めているとズボンのポケットは開けにくいんですよね。なので、スマホは上半身に保持するのが基本だと思っています。
 これまでは落下防止にスパイラルコードをつけて猟友会ベストの胸ポケットに入れていました。ところがこれ意外に取り出すのに時間がかかるし、スパイラルコードの関係で上下逆さにポケットに入っているので、取り出してから地図を確認するときに画面の向きが切り替わるまでにワンテンポ遅れるという問題がありました。前に作ったレンジファインダホルダのようにスライドして取り出せるスマホホルダがあればな〜。



作りましょう

 今回はレンジファインダの時よりももう少し計画的に行きます。まずは型紙を作り、十分に検証してから製作を始めました。


iPhoneSE専用ホルダの型紙

 こちらが型紙の図面です。実線部分は谷折り、点線部分は山折りにします。左右に50mm幅で飛び出た部分がありますが、ここはスマホのストッパーになる部分で、表側につけるか、裏側につけるか、長さをどうするか、好みがあるので自由度を残しています(図面では20mm幅です)。ちなみに写真の試作1号はストッパーが表側についています。裏側となる左半分には縦横40mmピッチでφ5のドリル穴を4個開けています。この穴を使ってmolleクリップを取り付けます。穴位置の寸法が入っていませんが、左側75mmの真ん中ほどでいいと思います。製作例では右から15mmと55mmの位置に開けています。



型紙で試行錯誤

 上の型紙は製作結果から逆算して作図していますが、下の写真は試行錯誤の途中のものです。工程としてはこのように型紙を折り曲げて実際のスマホに合わせて微調整して最終形状を決定します。カイデックスは、「折り曲げ」はやり直し可能ですが、「切断」したら元には戻りませんので確認は念入りに。


カイデックスの切り出しと折り曲げ

 型紙で納得がいったら、カイデックスを切り取ります。カイデックスは1.5mm厚が使いやすいでしょう。穴の角の部分や上下折り返し部分の周りなど隅になる部分に予めφ2〜3mmのドリル穴を開けておくと、折り曲げ加工がしやすくなり、応力集中を低減して強度的にもメリットがあるでしょう。
 曲げ加工には順番があります。まず中央の50mm幅と60mm幅の部分のZ曲げ(型紙図面の横方向の折り目)を行い、その後に表・背・裏部分の折り曲げ(型紙図面の縦方向の折り目)を行います。

 曲げ加工が完了した状態。これから、50mm幅の出っ張った部分を折り曲げてストッパーを構築します。(こんなに長くする必要はありません)


完成

 ストッパーを整形した状態です。

 molleクリップを2個つけて完成です。
 
※iPhoneで撮影しているので、iPhoneがどれだけフィットしているかをお伝えすることができません。ちなみに取り付けは左胸の辺りです。iPhoneの画面は体に向けます。穴の部分からiPhoneに中指と薬指をかけて横にスライドさせて取り出します。背面カメラの部分を避けてあるので、ホルダに入れたまま撮影も可能です。

 先に投稿したmolle〜肩ベルト変換パーツを使ってバックパックの肩ベルトに取り付けた例です。