中年週末ハンターの工作教室

狩猟に役立つ道具の自作事例と体験談など

自作チェストリグ


 チェストリグ。軍隊で使われているシステムですが、ハンターの中にも愛用者がおられるようです。両者の共通点として、装備が多いこと、行動しながらさまざまな道具を取り出したりしまったりする必要があること、動きやすい必要があること、バックパックや車両の運転のために背中は開けておきたいことなどでしょうか。


 私はmolleシステムのタクティカルベルトを使用していますが、ベルトだとバックパックと腰の取り合いになるため、大物量でバックパックが必要な時には都合が悪い。そこで、カモ猟時にはタクティカルベルト、大物猟ではバックパックと装備変更して使い分けていました。共通装備である許可証、ナイフ、手袋、無線機などは、猟友会ベストに1インチベルトを縫い付けてmolleシステムのように使っていました。これがいわゆるファーストラインになっていたわけですが、猟友会ベストはペラペラで装備の位置が安定せず、拡張性も低いのと、汚れた時に装備を全部外して洗濯をしなければならないのが不便でした。


市販のチェストリグ

 そこで、チェストリグはどうか、と考え、Amazonで探してみました。


 ちなみに、最初にタクティカルベルトを買った時から、チェストリグは候補にありました。しかし、さすがに大げさな感じがして避けていたところがあります。なので今回もあまりにミリタリー色の強いもの、重そうなもの、暑そうな物は避けたい。それに加えて、行動中に体温調節が必要なので、前側がファスナー開閉できて、色はオレンジで…まあ、無いですよね。


 そんな中、Amazonで見つけたこちらチェストリグ。必要最低限のベルトのみで作られており、基盤となる布地がありません。前空きじゃあないのと、もっと上の方にもmolleが欲しいので、アイディアだけいただくことにします。



EMERSON MOLLEシステム ロープロファイルチェストリグ CB


材料

 材料はいつものこれ。リンクは黒ですが、オレンジ(赤)や黄色もあります。10m x2個入りを購入。結果的には10m以上使ったので、20mを買って正解でした。


JETEDC(ジェットイデイシイ)Molle スーツケースベルト 荷崩れ防止 ベルト10セット 25mm×10m ワンタッチ式ロックプラスチックロック10個入り 荷締めベルト 作業用ベルト 調整可能 (黒)

 サイドリリースバックルはほぼ使いません(はっきり言って余りまくってる)。同梱のベルトアジャスターはいくつか使います(と言ってもやっぱり余りまくる)。


製作開始

 molleシステムになる横ベルトの部分は二重にして、molleの縫い目に合わせて縦ベルトを配置します。体に合わせて一気に作れば材料も少なく軽くもなるのですが、そうすると失敗した時に修正しにくいので、前面のメインパネル部分と後ろ側の固定紐部分に分けて製作しました。


 通常のmolleピッチは1.5インチ、つまり約38mmですが、ここは日本なのでわかりやすく40mmピッチで作りました。さらに一番端の1箇所は縫い目の間隔を45mmにします。これはモーラナイフのシースのベルトクリップを差し込むためです。40mmピッチだとキツキツで外しにくいので。
 縫い方はジグザグ縫い、幅2.5mm/ピッチ0.5mmです。



前面

 完成したメインパネルがこちら。中央にファスナーがあり、分割と結合ができます。


 ファスナーはビスロン製で大きめのものを使用しています。Amazonで200mm長さの丈詰め品を買いましたが、上死点のストッパーが甘いので補修が必要でした。この形状だと9インチ、つまり約225mnが理想なので、どうせ補修するなら標準品を買って自分で詰めてもよかったですね。


ビスロン5VS オープン 20cm 黒 580 DA9DR7 丈詰め品

 上2箇所と横3箇所にはベルトアジャスターを取り付けています。

 このように中央にベルトを通すと別のベルトを固定できます。簡単には緩みませんが、重いものや貴重なものを取り付けるときは縫い返してストッパーを作るとよいです。


後ろ面

 こちらは主に体にフィットさせるためのパーツになります。それぞれ前面メインパネルのベルトアジャスターに繋がるようにベルトを縫い付けます。背面のデザインはこれが正解とは思っていないので、市販のチェストリグなどを参考にデザインしてもいいと思います。


 左右のベルトにはコキアジャスターを設け、装着した状態での調整を可能にしました。


YKK LK25PT 25mmコキアジャスター 2個入り

 下の方に少しベルトを伸ばしておいて、アジャスターで別に作ったバッテンパーツと接続してます。下の横向きベルトにダンプポーチを取り付けてみたのですが、ブラブラして安定しません。ダンプポーチは猟友会ベストに直接取り付けた方が良さそうですね。


接続

 繋げてみます。前面2箇所、側面左右2箇所づつで接続します。前面は一度調整するともう動かす必要がありません。一方、左右は緩めて着脱したり、着ているものが変わった時などに調整しやすいよう、コキアジャスターを使用しています。


 装備を取り付けてみたのがこちら。向かって左側上(右半身)からレンジファインダー、モーラナイフ、ポーチB(ゴム手袋・ウェットティッシュ)、右側(左半身)にポーチA(許可証・スマホ)、無線機、フクロナガサ取り付け用ホルダ。molleシステムになっているので、使いながら調整していこうと思います。