中年週末ハンターの工作教室

狩猟に役立つ道具の自作事例と体験談など

レンジファインダーホルダ

 カイデックスによる狩猟アイテムの自作。フクロナガサシースに続いてレンジファインダーのホルダを作ってみます。
 このレンジファインダー、車から離れた現場では単眼鏡としても使用しています。遠くに見えた動くものや動かないものを確認する時とか。流石に銃口向けてスコープで覗くわけにも行かないですしね。
 これまではベストのポケットに入れたりポーチに入れたりしていましたが、いちいちボタンやファスナーを開閉するのが面倒なので、差し込むだけで固定できるホルダが欲しいと思っていました。そこで、カイデックスの出番です。


 まずは厚紙で色々やってみて構想を練ります。差し込んで固定するホルダーで、納めた時は接眼/対物レンズが隠れるようにします。これは、ホルダーは外につけるので、いざという時にレンズに雪がついて見えない…という事態を避けるためです。構造はシンプルに1枚板で製作。固定するためのネジが出っぱるので、本体と干渉しないよう、取り付け部分をZ型に折り返します。


 構想ができたら型紙を広げて材料を切り出します。チキンなのでかなり大きめに。


 折るべきところに印をつけたらヒートガンで炙りながら順番に折り曲げていきます。型を取る時と違って一気にあぶらず、1箇所づつ板で挟んで折っていきます。

折り曲げが完了した状態。


 途中の写真がなくて申し訳ないですが、次に角部を成形していきます。まずはレンジファインダーに手頃な大きさの2mmの板を添えて養生テープで巻きます。これが取り付け部のネジ頭の「逃げ」になるので、取り付け部に面する場所に板がくる様に貼り付けます。先の折り曲げが完璧なら不要かもしれませんが、角部を成形する際に歪んでしまうこともあるので一応。
 次に、整形する部分のカイデックスに歯の細かい鋸(金属加工用)で切り込みを入れます。折り紙の様に立体的に織り込むことは不可能なので、基本的に一回曲げで大まかな形に成形できるように、稜線に適度に切り込みを入れておきます。


 整形する部分をヒートガンで温めてから、レンジファインダーを入れ、革手袋をした手でぎゅっと曲げて押しつけて冷えるのを待つ。これを何度も繰り返し、いい塩梅にレンジファインダーがフィットするまで続けます。

 レンジファインダーを差し込んだときの抜け防止になるように、刺し口側も折り曲げて調整します。形は不恰好ですが、出し入れがしやすくカタカタ言わないホルダーができました。見ての通り、ストラップをつけてあるので万が一落としても紛失しません。よって固定の方はそこまでシビアにしなくても良い。


 説明の写真が前後しますが、取り付けネジ用の穴を開けたら完成です。取り付け角度を45°刻みで変更できるように、円周状に8箇所穴を開けました。


 1.5mm厚のカイデックスは成形がしやすいので複雑な形状のホルダ作りに最適です。やや剛性が低いですが、軽いものであれば大丈夫でしょう。