中年週末ハンターの工作教室

狩猟に役立つ道具の自作事例と体験談など

とりあえずナイフ


 狩猟にナイフは必需品ですよね。獲物の解体はもちろん、ツタを切って道を切り開いたり、即席で小道具を製作したり。ナイフ持ってこないと解体の時に何もすることなくぽけーっと見てるだけになり、「やる気がない」と映って周囲の印象も良くないですね。とはいえ、あまり変なナイフを持っていったら笑われるかも…と心配です。では何を持っていけばいいのでしょう。


モーラナイフ
 狩猟を始めた時はとにかくいろいろ初期投資が必要なので、必要最低限の装備をコスパ重視で選びたいところ。お勧めはモーラナイフコンパニオンヘビーデューティー。定番中の定番です。ベテラン勢は別として、新人はみんなこれ持ってきます。諸先輩方にも「モーラナイフでいいよ」と言われたことはありますが「モーラナイフはダメ」と言われたことはありません。初心者はとりあえず「モーラナイフ持ってけ」ですね。



モーラ・ナイフ Mora knife Companion Heavy Duty MG



 刃材はステンレスと炭素鋼がありますが、私は炭素鋼を使ってます。手入れをしないと錆びますが、どうせ頻繁に研ぐのでその心配は無いです。と言いつつ、疲れ果てて猟から帰って片付けもおろそかに(銃と弾の保管が最優先ですから)してたらちょっと錆びました。炭素鋼と言ってもごく表面は常に酸化して簡単な保護膜になっており、赤錆として進行するのは水分がある時だけです。ちゃんと汚れを拭き取って乾燥していればそうそう錆びません。乾燥が不安な時は油をぬっとけばいいんですが、食べ物も切るナイフにKURE5−56とかは使いにくいので、私は「オリーブオイル」を塗って、ティッシュで軽く拭いておきます。瓶タイプだとキャップ開けて、少量出して…というのが面倒なので、スプレータイプがおすすめ。



マントヴァ エキストラバージンオリーブオイルスプレー 228g

持ち歩きに一工夫
 さてこのモーラナイフ、丸洗いできるプラスチックのシースがついてきます。このシースが実によくできてます。抜こうと思った時に抜けて、知らぬ間に抜け落ちることもありません。クリップ部分でズボンの腰やザックのポケットに挟んで保持することができます。しかし、私が使っているmolleのベルトにはちょっと都合が悪いんです。

 このようにmolleの幅がシースクリップの幅ぎりぎりしかないので非常にきつい。一度入れるとなかなか外せないので、台所に研ぎに行くためにシースなしのナイフを抜き身で持って歩いたり、ちょっと危険。

 ところでこの「しずく」のような形状の穴はなんだろう?調べてみると「BUTTON SYSTEM」というらしい。試しにジーンズのボタンにつけてみると…

ついた。まあこのまま履いたらただの変態さんだし、そもそもジーンズで猟行かない。ただ、ジーンズのボタンに着くってことは、ジーンズ補修用のボタンが使えるってこと。
 このジーンズのボタンはヘッド径16.8mm、ネック径6.8mm。ボタンシステムは大穴径16.8mm、小穴径7.2mm、最狭部4.8mm。ヘッドは斜めに入るからぎりぎりでもO.K.のようだ。4.8mmの隙間を6.8mmのネックが通るわけだがそこは両側のスリットがいい感じに歪んでなんとか通過する。尤も、そうじゃあなれば簡単に外れてしまうのでこれでいい。ちょっときついが使っているうちにすり減ってくるだろう。上記の測定結果を参考に買ったのがこちら。



KIYOHARA サンコッコー ジーンズタックボタン 6組 直径16.5mm ブロンズ SUN15-03


作ってみた

 左から、サスペンダーベルト用、molle用、タクティカルベルト用。材料はmolleスーツケースベルト、ウェビングクリップ、ベルトについてきたフックなど。金槌と下金と当て布があれば簡単に作れる。ボタンの裏側が樹脂製なのがちょっと気になるけど、強度的には問題なさそう。

装着イメージ。これでどこにでもモーラナイフがつけられる。ナイフは3年前から使ってるけど、ボタンは初めて作ったので、まだ実猟には使っていません。今期が楽しみです。


おまけ
 ちなみに鳥の解体には100円ショップのカッターナイフ使ってます。鳥の解体は切れ味重視。カッターの刃は切れなくなったら丸ごと交換。替え刃も別買いすると100円で何枚も入っているので使い捨てです。(ゴミは持ち帰りましょう)