中年週末ハンターの工作教室

狩猟に役立つ道具の自作事例と体験談など

猟友会ベストをもっと素敵に

「素敵」って最近は冗談でしか使わないな…
 皆さんは猟友会ベスト使ってますか?大日本猟友会から支給される、オレンジと黄色のあれです。


 これを着ていないとハンター保険が降りないとか、保険金が減額されるとか言われるので、出来れば使った方がいいのですが、周りを見ても使っていない人が結構います。いったい何故でしょうか?
 利点の方はたくさんあって挙げるとキリがないので、猟友会ベストの不満な点を挙げてみましょう。


1、カッコ悪い
2、収納機能(ポケットや玉差し)が不十分
3、生地の機能(通気性など)が悪い。
4、カモやサルに逃げられる


 まず3については生地のせいなのでどうしようもないです。通気性が悪いのは猟期中なら問題ないですが、夏の駆除の時はたまりません。また、動くとかしゃかしゃ音がするので、忍び猟をしたい人は気になるかもしれませんね。


 4についても誤射を防ぐために派手な色になっているので、どうしようもないかも。(と言っても蛍光色ののべっとしたツートンじゃあなくて、リアルツリー系のカモフラ柄だったらまだカッコいいのに。)カモはともかく、駆除対象のサルに避けられるというのは逆手にとればハンター以外もオレンジを着てサルを追い払うことができるようになるかもしれません。


では、改めて、1と2について考察と改良を試みてみましょう。


1.カッコ悪い
 確かに着てみるとあまりかっこいいとは言えません。(もっとも、カッコいい悪いは個人の主観によるところが大きいでしょうけど。)では、なぜカッコ悪いのか。上記4のように色は仕方がないとして、形を調べて見てみました。


 猟友会ベストの上に射撃用ベストを重ねてみます。サイズはどちらもL。。 

 真ん中を合わせているのですが、横幅がかなりあります。どんな体型の人でも着られるように、ということなんだと思いますが、太すぎです。こっからさらにファスナーで広がるという…


 こちらは駆除隊に入った時に支部で作ってもらったTAGAMIのベスト。これと比較しても明らかに太いです。

 実は胴周りが太いと、立っているときだけではなく、かがんだ時にお腹周りが垂れ下がってデブっちょに見えてしまい、鏡や写真に映る自分の姿に幻滅してしまいかねません。せっかくなら狩猟の姿はカッコよくありたいものです。


 何かで見たんですが、ベストの上からリュックの腰ベルト、タクティカルベルト、cチェストリグなどで抑えればシルエットはだいぶ良くなります。が、せっかくなので自分専用にちょっとカスタマイズしてみましょう。何だか中学生が制服を改造するみたいでドキドキしてきませんか?


 まずは少し太すぎるのでスリムにしましょう。ちょうどファスナーで拡張できるところを逆に詰めてしまうわけです。TAGAMIのベストに合わせると、ポケットより1cm外側を縫い付けるとちょうどいいみたいです。生地に縦横に入っている強化糸を目安に物差しと鉛筆でマーキングし、直線縫いで縫います。

 まだミシンを本格的に使い始めて1ヶ月ですが、基本的に2種類の縫い方を使い分けています。一つは荷重がかかるベルト類を固定するジグザグ縫い(幅2.5mmxピッチ0.5mm)、もう一つが今回のように広い面積を止める直線縫いです。
 下まで縫うとお尻がきつくなるので、途中でやめます。本当はスリットを入れて切り口をを折り返して縫いどめすればいいのですが、それだと切らないといけません。今回は復元可能な範囲での改造にとどめておきます。


だいぶスリムになりました。


2.収納機能が不十分
 収納機能を増強します。
 まず、弾挿しを増設するため、ポケットの中にマジックテープを縫い付けてみます。追加用の弾挿しを買った時についてきたもので、ノリが邪魔なのでチマチマと剥いておきます。(粘着シール系は温めると取りやすくなるので温めると良いかもしれません。)市販のベルクロ(面ファスナー)を購入して取り付けてもいいかもしれませんね。オス-メス注意してね。
 これで弾挿しを貼り付けられるようになりました。少し取り出しにくいですが、もしマジックテープが外れても、弾が抜けても、ポケットの中に落ちるので安全。予備の弾を刺しておくのに使えそうです。


 反対側のポケットはファスナーポケットに改造します。100均で買ったファスナーを縫い付けるだけです。ポケットの幅がちょうど20cmなので、100均のファスナーがジャストフィットします。元から付いている面ファスナー(マジックテープ)が邪魔なので、同じく100均で3本セットで売っている伸縮性バンドのマジックテープを切り取って貼り付け、面ファスナーの機能を殺します。これで大事なものも入れられるようになりました。ファスナーは100円で3セット入りもありましたが、ファスナー自体が大きい方が開け閉めしやすく、雪や土汚れに強いと考えて1個入りのにしました。


 許可証入れは以前のブログでも書いた通り。100均のクリアケースを縫い付けています。下がぶらぶらしてると不安なので、ジグザグ縫いで数カ所固定します。別にケースの上から縫ってしまって構いません。糸が外側から見えるので、黄色の糸を使いましょう。


  場合によっては1インチナイロンベルトを縫いつけてmolleシステムを作ってもいいかと思います。また、狩猟ベストの中には後ろに大きめのポケットがついているものがあり、そういうものも使いやすそうです。見た目があまり変わらない範囲で増設するには同じ色のポケットを探さなければなりませんね。


  ただ、私の場合はタクティカルベルトに装備を集約しており、後ろポケットの代わりにダンプポーチがあるのでこれ以上の改造は今の所不要かな。最近購入したレンジファインダーは胸ポケットにピッタリ収まったので、落下防止のスパイラルコードを取り付けてポケットに入れることにしました。
 手を加えていくと、よく通販カタログで見る「着るカバン」みたいになっていきます。既存の持ち物に一手間加えて自分が使いやすいように改造するのって結構楽しいですよ。


 猟期に入ったら実際に使ってみて、さらに色々改造を検討してみたいと思います。