中年週末ハンターの工作教室

狩猟に役立つ道具の自作事例と体験談など

きさま!見ているなッ!

視覚の増強
 かつてサバイバルゲームをしていたこともありますが、野戦においては相手を先に発見することが何より重要だったりします。狩猟においても、相手に気づかれる前に獲物を発見することが重要なのはいうまでもありません。しかし、野生動物に比べて人間の五感は決して優れているとは言えません。特に嗅覚と聴覚は獣のそれに明らかに劣りますし、明るい場所での視覚は鳥類に遠く及ばないでしょう。
 嗅覚を補う道具など聞いたことがなく、聴覚を補う道具は補聴器くらいしか思いつきませんが、視覚を補う道具は近視矯正眼鏡、老眼鏡、拡大鏡、顕微鏡、そして望遠鏡と身近にあふれています。これら光学機器はレンズという発明品の賜物であり、人間はその文明の恩恵で、どんな生物よりも優れた視覚を手に入れることができます。つまり、道具によって増強された視覚は、唯一獲物よりも優れた感覚器になるのです。


 理屈っぽい話から入りましたが、狩猟において双眼鏡(単眼望遠鏡もありますが、とりあえずこう表記します)が大事なのは、今更いうまでもないですね。「相手が警戒もしない遥か遠方から一方的に観察する」人類にのみ許されたチートです。では、狩猟に向く望遠鏡とはどのようなものでしょうか。


 身もふたもないことを言うと、高い双眼鏡はよく見えます。ただ、猟場でラフに扱うことも多いので、あまり高いものはもったいなくて使いにくいですね。ましてや狩猟を始めたばかりの頃は何かと必要なものが多く、最初のうちはなるべくコストを抑えて最低限の装備を揃えたいもの。何かの参考になればと思いますので、私の数少ない経験から紹介していきます。


ポケットサイズ:見にくいけど、ないよりいい

 初年度はカタログギフトで交換した口径21mmのコンパクトな双眼鏡を使っていました。多分3千円くらいのものだと思います。まあ、ないよりはマシと言う程度です。というのも、秋の熊狩やカモ撃ちでは、双眼鏡がないとお話にならないので、最低限、家にあるものを持っていったという感じです。視野が狭いので長時間山を見ていると疲れます。やはりもっといい双眼鏡が欲しくなっていました。


レンズ口径50mmの双眼鏡:見やすい!

 2年目からはこちらの双眼鏡を使っています。価格は2万円以下。決して高い方ではないと思いますが、よく見えます。視界が広くて明るい。理由は単純明快、レンズが大きいからです。車からそれほど離れない秋のクマ猟とカモ撃ちには適していますが、欠点は重くてかさばること。何時間も山の中を歩くような用途には向いていません。
 Amazonで探すと似たような形状の双眼鏡がたくさんあります。違いがあるかどうかはよくわかりませんが、少なくとも私が購入したUSCAMELは十分使えます。距離が測れるとか大きさがわかるとか書かれていますが、視野内での大きさが測れるので、レンズについている計算尺を使って距離と大きさの片方が分かればもう一方が計算できると言うだけです。



USCAMEL レンジファインダーコンパス付き10x50防水高倍率双眼鏡 - 適用 バードウォッチング コンサート狩猟

 流石に山の中を歩き回る時や、登山なんかでも重い双眼鏡は持ち歩きたくないので、21mmは常にリュックに入れて持ち歩いていました。50mmよりずっと見にくいのでストレスになりますが、軽くて小さいのは助かります。


 高性能な40mm前後の双眼鏡で全シーンを賄う、と言う考え方もあると思いますが、私はこのように用途によって大小2種類の双眼鏡を使い分けています。ただやはり21mmの方はどうしても見づらいので、コンパクトで見やすい望遠鏡を検討した結果、単眼鏡を使ってみよう、との考えに至りました。


単眼鏡・・・レンジファインダー

 どうせなら距離も測れた方がいいかな、と思ったので、結局レンジファインダーになりました。猟期前の下見では、距離は測れるし、21mmの双眼鏡と比べると視野も広く、見やすい印象でした。


BOYA ゴルフ レーザー距離計 1100ydまで対応 スロープ 高低差機能 レンジファインダー 距離測定器 日本語取扱説明書 1 正規品 LR1000P


 今期はクマとカモは昨年までと同様にUSCAMALの50mm、山を歩くときにはレンジファインダーを持ち歩くつもりです。今まで距離はいい加減な目測に頼っていたので、距離を測りながら距離感も養っていこうと思います。